アフリカを、ざっくり知る。
アフリカ学入門
~ポップカルチャーから政治経済まで~
舩田クラーセンさやか 編 / 明石書店
アフリカについて少し勉強しなくては、と思って本屋に出かけ、最初に手に取ったのがこの本だった。
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まず、表紙の絵が素敵。街を走る乗り合いバスだろうか、アフリカ人の日常生活の一コマが色鮮やかに軽いタッチで描かれている。乗客たちは窓からの心地よい風に吹かれている。この本は、身構えを捨て、軽い気持ちで手に取れた。
題名のとおり、アフリカについてほとんど知らない人も、読み進めるうちに「あ、そういうことなんだ」と納得できる本。
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序章では、ウォーミングアップとして、日本人がアフリカに対して抱いているイメージをおさらいする。
東京外語大学准教授の著者が、授業を受け持つ都内の3つの大学の学生を調査すると、彼らのアフリカに関する知識はほとんど欠如している、あるいはかなりいい加減だという驚きの結果が…。
ある学生が描いたアフリカ地図には国が3つしか書かれておらずほとんど空白、大陸のかたちは輪郭がはっきりせず、3歳児のクレヨン画のよう。でも、自分が描けるのも同じようなものだと苦笑いした。
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表紙を改めて眺めると、「アフリカ」と「入門」の間に「学」の字が入っている。ということは「アフリカ学」の本?
各章を専門家の方々が分担して書いており、構成は教科書を思い出させる。初心者に必要な内容が網羅されている。押さえておくべきアフリカの歴史、抱える課題や事情、アフリカと日本の変わりつつある関係、アフリカ人の人となりや文化などなど。
とはいっても、文章は堅苦しくなく(「〜論」なんていう章立てにもかかわらず)、どんどん読み進めるのが嬉しい。読み手として想定されているのは、(アフリカの国名を3つしか挙げられないような)ふつうの日本人なのだ。数字データやグラフがいたるところで示されていて、自分の誤解が改められていく。
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巻末に近くなると、国連職員や企業人、開発コンサルタント、NGOスタッフとして、アフリカとのさまざまな関わり方が本人の声で紹介されている。
また、アフリカが学べる学校の紹介、NGOのインターンシップの紹介、アフリカをテーマにした映画の一覧などもあり、情報量が豊富。
この本を読んでおけば、とりあえず安心してアフリカの方と話ができるかもしれない。