体感型アフリカツアー

第4回:カスル

 運転手兼ガイドのフィリップとジェームスとは2013年の〝水曜どうでしょーー〟のロケで一緒して以来、すでに何度もロケやツアーで同行している仲だ。ジェームスはケニヤのナイロビで本格的に英語を学んだだけあって、凄い英語を話す。フィリップはどちらかというとのんびり屋でいい奴なのだが、時折出るアフリカン・メンタリティ?に付き合うのも結構大変だ。でも何故か、「We are the world」が好きで、〝どーでしょー〟のロケの時も大泉さんにいきなり〝オイズミ、We are the worldを唄ってくれ〟とリクエストしていた。即座に英語で唄って返した大泉さんはもちろん只者ではない!(美声だった)ま、いろいろあるが現地ガイド、 人間関係構築に関してはreliable(信頼できる)であることは間違いない。

 依然、雨が降る中キゴマへ戻り街中で昼食、みんなは現地食のウガリ(タン ザニアの主食でトウモロコシの粉を熱湯で練ったもの)をおいしそうに?食べていた。〝これを食べたかったんですよ!〟と言っておいしそうに食べていた。それにしても量が多く残す人もいた。ボクはチップス&チキンにした。アフリカは初めての4人を載せた車(ランドローバー・ディフェンダー)は赤茶けたアフリカの大地を走った。 ボクにとってはつい2か月前テレビのロケ(情熱大陸/TBS)で来た時に走った道だ(もっと昔には、70年学生時代の旅でローカルバスで走った)。晴れた空と赤い土、そして雲が湧く空がボクラを歓迎してくれていた。

 ホテルに着くと、先日のロケで仲良しになったスタッフのヒルダーとウイリアムが迎えて くれた。宿泊地のカスル・モテルはこの辺では快適なホテルで好きな場所だ。何が良いって、季節にもよるが、朝の気持ち良さが最高なのだ。いろんな場所で泊まり、寝てきたがこんなに朝が気持ちいい場所/ホテルはない。サファリの時に泊まるサバンナのロッジにも全く負けてない。気温、湿度、空気感・・・そして それをさらに気持ちを高める鳥たちの鳴き声、キツツキ?系から普通の小さな鳥たちのさえずりに至るまでほぼパーフェクトだ。

 その夜は、グリルド・チキンを注文。恐ろしく真っ黒になったでかいチキンがテーブル運ばれるや、待ちきれなかったように若者たちの手が一斉に伸びた。〝美味しい、美味しい・・・〟瞬く間に真っ黒なチキンはなくなった。この黒焦げの鳥が〝そんなに美味いのか?!〟やはり若者たちの好奇心と胃袋は特別なようだ(笑)

 翌朝、疲れからか身体が重かったが、起き上がって朝のティー&コーヒーに行く。梢の下のテーブルでお茶を飲みながら、ヒルダー(従業員の女の子)に今日の〝卵〟、オムレツなのか目玉焼きなのかを注文する。ボクは最近、コーヒーに少量のココアを混ぜて飲むことにしている(意外とおいしいのです)。その頃には朝のうす雲がとれて青い空と太陽の完全なアフリカ日和になっている。

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2016年2月に催行した「現場へ行こう」タンザニア・スタディツアーに関する大津氏の手記。このツアーでは、大津氏独自の現地コネクションと強い安全への意識のもとブルンジから多くの難民が押し寄せるニャルグス難民キャンプを訪問しました。アフリカに30年以上通い続ける大津氏が、ツアーの様子や裏話、旅に関する教訓などを記しています。そこには参加されるお客様への思いも・・・。(連載/全19回)。