体感型アフリカツアー

第10回:アフリカ・スタディツアー

 テレビのアフリカ関連番組のコーディネーター、ジャーナリストとして続けるアフリカ紛争取材、サファリツアーのガイド、そして若者を中心にアフリカの〝現場〟に案内するスタディ・ツアー。今回の難民キャンプ訪問はこの最後のアフリカ・スタディツアーに当たる。始まりは、拓殖大学国際学部でお話しさせていただいた時、お世話になった甲斐信好教授(国際政治)に、「今のアフリカを見ることなく国際政治は語れませんよ」なんて偉そうなことを言って、先生今度学生をお連れしてアフリカに来ませんかと声をかけたのがきっかけだった。先生の決断は早く、意外にも軽かった(失礼)。もう次の年には、今回と同じタンザニアに8人の学生(先生のゼミ生他)を連れて来ていた。それが、もう10回(今回は残念ながら先生は多忙により不参加)続いている。

 初めてのタンザニア、スタツアのテーマは、エイズの患者の方に会う。ストリート・チルドレン、学校訪問、青年海外協力隊員訪問、そして ダルエス・サラームから3時間ほどのところにあるミクミ・ナショナル・パークのツアーでした。ジャーナリストとしてのボクの考えは、日本のメディアでは数字(視聴率)が取れない、遠くて日本と関係ないなどの理由でほとんどアフリカのニュース(最近多いバラエティではなく)が流れないが、しかし、アフリカ は、紛争/テロ、資源、援助、難民、そして経済発展の現状に至るまで世界のメディアの常にヘッドラインを飾っている〝世界の最前線〟だということだ。その最前線を、未来あるまた有望な日本の若者たちに一目だけでも見てもらい、体感してもらうこと、そして日本へのフィードバックだ。また常に甲斐先生とも話しているがツアーの最高のプライオリティは「安全/セキュリティ」の確保にある。これなくしてツアーの成功はない。幸い、多くの紛争、危険地帯取材で培った 現地ネットワーク、情報収集、そして体験から来る直感を駆使してツアーでの事故はこれまでのところ一度もない。先生もボクもそれにすべてをかけているといっていい。

 
  • これまでのツアー/2005年~2016年の間計11回(2011年は東北震災のため不催行)
  • 訪問した国→タンザニア/ケニヤ/ルワ ンダ/コンゴ民主共和国
  • テーマ&場所→エイズ、ストリートチルドレン、難民キャンプ、虐殺教会・サイト、元コンゴ戦争兵士除隊センター、元少年兵リハビ リセンター、戦争被害未亡人自立施設、病院、各学校、IT関連企業、地元メディア・テレビ局、証券取引所、JICA、青年海外協力隊、日本大使館、中国大 使館、各国政府要人/大臣クラス面会、そして村訪問とサファリ等々。
 

 

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2016年2月に催行した「現場へ行こう」タンザニア・スタディツアーに関する大津氏の手記。このツアーでは、大津氏独自の現地コネクションと強い安全への意識のもとブルンジから多くの難民が押し寄せるニャルグス難民キャンプを訪問しました。アフリカに30年以上通い続ける大津氏が、ツアーの様子や裏話、旅に関する教訓などを記しています。そこには参加されるお客様への思いも・・・。(連載/全19回)。