体感型アフリカツアー

 

 

 

 

 

2020年10 月 25 日(日)に行われた第 5 弾オンラインイベント【ウィズ・コロナ時代、いまアフリカスタディツアーを語るワケ】についてのFLEXスタッフによるレポートです。

 

会場:Blue Baobab Africa (ブルー バオバブ アフリカ)

 

住所:〒106-0041

東京都港区麻布台2-2-12三貫ビル2階

過去イベントの詳細はこちら⇒

https://africastudytour.peatix.com/

 

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⚫アフリカ・スタディツアーの目的⚫

 

甲斐先生のテーマである国際政治。

国際政治は “戦争をやめるための学問”。

 

平和のためには、戦争を知らなくてはいけない。

なぜ争うのか?なぜ紛争が起きるのか?

を学ばなければいけないといいます。

 

まさに国際政治の目的は、リアル(紛争、戦争など)を知って初めて、理想を語ることであり、

紛争取材やスタディツアーをやっている目的もそれが大きい。

 

最終的には、平和を学んでもらいたいし、理想を語ってもらいたい。

 

その前にちょっとだけ “リアルを知って、本当のことを体験” してほしい。

 

そのリアルな場にお連れするのが、アフリカ・スタディツアーの最大の目的。

 

 

⚫アフリカ・スタディツアー実施⚫

 

《2005年 ケニアの病院のポスター》

〝OUR BABY DIED OF AIDS〟(僕らの赤ん坊はエイズで死んじゃった。)

 

エイズの両親に対して子どもを持ってはいけませんという啓発ポスターであり、これを日本でやれば恐らく人権問題になるのではと甲斐先生。

当時のタンザニアでも、エイズの両親から生まれる子ども達の問題が非常に大きくなっていて、ある意味、非人道的なポスターが至る所に貼られていたそう。同様なことはケニア、タンザニアともに起きていた。

 

 

《ルワンダ ニャラブイエの教会(2007/2008)》

 

大津さんは日本人として、初めて現場に入られたひとり。

1994年4月〜7月の間にフツとツチという2つのエスニックの間に争いが起こり、当時のルワンダの人口780万人のうち約80万人、国民の10%以上が惨殺された、大虐殺の悲劇があった場所。

 

 

《子供を抱いた男性の写真(虐殺をされた側のツチ)》

 

彼は、ニャラブイエの教会で奥さんと子どもを4人惨殺され、自分は死体の下に隠れて生き延びるという経験をした。虐殺が終わりもう生きる気力を無くしているときに、国のカウンセリングなどを受けて、もういっぺん生きてみようと思った。そして、新たに結婚をして、赤ん坊ができたよと報告にきてくれた時の写真であり、彼の奥さんは虐殺した側のフツであった。今では虐殺をされた側と虐殺をした側が新しいパートナーになって子供を授かっているという話を聞いてジーンとしたと話してくれました。

 

 

《ルワンダ・キガリの虐殺記念館、タラマ教会 2008年》

 

今でも死体が掘り起こされてくるので次々と犠牲者の名前が増えている。一体一体ではなくて、家族ごとに骨を一緒に棺桶に入れている写真。

 

大津さん曰く、最初に入った時は、骨などがいっぱい散らかっていたが、5年、10年経つと骸骨は綺麗に整理されてきているそうだ。だが、こういうことがあったという印象を残そうということで、人びとが着ていた服は血だらけのまま教会の梁にいっぱい掛けられていたという。(黒く見えているのは汚れではなく血)10年経っても20年経っても匂うような感じがあったが、今は全くなく、綺麗にメモリアルにされている。

 

虐殺の1年後、タラマの教会に取材で入ったときは、とにかく、骨とか骸骨、衣服、メガネ、薬のタブレット、ノート、教科書、首飾り、ペンダントなどありとあらゆるものが散らばっていた。何を1番感じたかといったら、人間の死んだ痕跡がゴミなんですよね、要するに散らばってる、人間の尊厳という言葉が出てこないくらい、ゴミと化してインパクトがものすごく、当初はまだ匂うし、強烈だったとのこと。

 

 

《ルワンダ南部 ムランビ》

https://m.youtube.com/watch?v=l21eA63TiYs

 

ここは、生きているまま、あるいは、銃で撃たれて生きてるのにブルドーザーで

穴に落とされ生き埋めで殺された場所であるから、皆、体が捻れている。

頭と体の方向違う・腕が反対になっている・歯や髪は残っているし、

まさに苦悶の表情であった。

 

そして、その死体を掘り起こしてミイラ化したものがそのまま展示してある部屋がある。

それぞれの部屋を開けていくと、大人の部屋、子どもの部屋、赤ん坊の部屋など、

ミイラが分別されているそう。人間ってこういう苦悶の表情をして死んでいくのかと

大変ショックだったという。

 

「ミイラね、台の上に置かれていて、白かったでしょ?なぜ白かった?」

 

→→→「匂いがすごいから、石灰とレモン水をかけて真っ白になっているんです。」

 

 

 

⚫甲斐先生がスタディツアーをする覚悟とは?⚫

学生も我々も気軽に生きていますが、アフリカに行くと小さな子ども達が

大人でも持てなそうなバケツを持って水汲みをしている風景を目にします。

 

そういうのを見ると、日頃はクールな学生達、あるいは本当の貧しさを見たことのない学生達も

心をすごく動かされ、子ども達の姿を見て息を呑み、

ボソッと「先生、生きるって大変なことなんだね。」と言ったそうです。

 

そうやって学生たちが変わっていく、場合によっては人生も変わっていく、

というのをいくつか目にすると、続けさせてもらえてよかったなと思うそうです。

 

 

⚫何故、ウィズ・コロナの時代に現地に行くスタツアをするのか?⚫

 

甲斐先生

 

「いま、大学も留学が一切できず、海外にもいけない状態にある為、

オンライン留学やネットを使った会話のクラスがどうしても主流になってくると思います。

 

それも素晴らしいし必要なことだと思いますが、それとは別に、

現地に行かなければわからないということがいくつかあるように思います。

私が感じたのはスラムの話から、そこにいる“人の熱”とか、“匂い”とか、

“生きているというエネルギー”は、そこに行かないと伝わってこないと感じています。

 

もう一つ大きいなと思っているのが、セキュリティです。

これから私たちはグローバルの時代の中で“自分の身をどうやって守るか”という、

セキュリティを考えることが大事になってくると思います。

 

スタツアだけではなくて、大学の海外研修の引率をすることも多いのですけれども、

日本人の学生は決定的にその部分、“自分の身をどうやって守るか”ということが

弱いなと感じることが多いです。例えば、荷物はポンと置いておく、

バスの前ポケットに携帯をポンと入れておく、戻ってきたらない!

当たり前だろうと思うけど、日本ではそれが許されるんですよね。

そういったセキュリティっていうのは現地にいかないとわからないことだと思います。」

 

 

大津さん

「これからある程度、バーチャルは根付いていくと思う。

リアルな現場やシーンにどれだけ自分が立てるか、日本での仕事もそうですが、

そこからどれだけ学べるか、人間関係も含めて、吹いている風、やってくる匂い、

握手の感触、ハグの感触全て、そこからどうやって何かを感じるという直感は、

いくらバーチャルの時代になっても無くならない。

 

生きている限り、直感を磨かないと人間は生き残れないんじゃないかな。

あまりにもバーチャルとかオンラインに偏りすぎるのは良くないですね。

まずリアルな現場があってこそ、知恵もそこからしか生まれない、

それは本当に痛切に感じていますね。」

 

 

 

 

 

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