2020年10 月 25 日(日)に行われた第 5 弾オンラインイベント【ウィズ・コロナ時代、いまアフリカスタディツアーを語るワケ】についてのFLEXスタッフによるレポートです。
会場:Blue Baobab Africa (ブルー バオバブ アフリカ)
住所:〒106-0041
東京都港区麻布台2-2-12三貫ビル2階
過去イベントの詳細はこちら⇒
https://africastudytour.peatix.com/
▶プロローグ:
今回のイベントゲストは、アフリカ紛争問題ジャーナリスト(映像)のお茶目なおじさん〝大津司郎さん〟と優しく気さくな拓殖大学国際学部教授〝甲斐信好先生〟です。
おふたりの軽快なトークから始まり、興味深いお話で緊張した雰囲気に包まれつつ、時には笑顔になるような素晴らしいイベントでした!
◆甲斐信好氏(拓殖大学国際学部教授)◆
1958年福岡県生まれ。一橋大学社会学部卒。東京工業大学大学院(博士)。
松下政経塾3期生。政策集団・自由社会フォーラムを経て、1988年より政経塾スタッフ
(研修主担当、京都政経塾塾頭、広報主担当など)
2000年より拓殖大学国際開発研究所研究員、2008年より国際学部教授、2019年より学部長へ。
◆大津司郎氏(アフリカ紛争問題ジャーナリスト)◆
1948年東京生まれ。アフリカ紛争問題ジャーナリスト。
アフリカ50年以上(現地往復180回)。ソマリア、南スーダン、
コンゴ、ルワンダ、アンゴラ、イラクなど紛争地取材、日本のメディア(テレビ他)でレポート多数。
1970年、船でアフリカ渡航以来、サハラ干ばつ救援委員会設立、現地渡航(ナイジェリア、チャド)、青年海外協力隊(タンザニア)、アフリカ関連テレビ番組コーディネーター、アフリカ・ツアーガイドなど180回ほどアフリカを往復現在に至る。
⚫スタディツアーが始まった理由⚫
当社は、大津さんから甲斐先生を紹介してもらったことをきっかけに、
2014年から甲斐先生のゼミ生を連れたスタディツアーを催行し始めました。
実施していくにつれて、学生だけでなく、社会人にも層を広げていき大好評です。
大津さんと甲斐先生は2005年、偶然の出来事により出会います。
甲斐先生のゼミナールで講義をしたことをきっかけに、
大津さんと甲斐先生はアフリカ・スタディツアーを始めることになりました。
その講義では、こういう世界があったんだ!と目から鱗なお話を聞いたといいます。
大津さんは授業の最後に、言いました。
「甲斐先生、国際政治を勉強しているって言うけれども、アフリカを知らないと国際政治は語れませんよ。」
甲斐先生
心の中(正直、ムッとしたんだけど、本当にそうだな)
「大津さんがそこまで言うんだったら、いっぺんアフリカに連れて行ってくださいよ。」
ということで、まさしく瓢箪から駒で生まれたのが第1回目のタンザニア・スタディツアー。
この時は、拓殖大学の学生とゼミ生のみで実施しました。
⚫アフリカに注目する理由⚫
アフリカに行ってびっくりすることの一つが、中国の影響力。
バイクですれ違う男性たちが私たちに手を振ってくれるんです。
「I love China !」
と言いながら。
中国の影響力がすごく強い、そのことの大変さに誰も気づいていないし、報道もされない。
これは大きな問題と言います。
大津さん
「結論になるのだけど、アフリカには全てがあり、人間的な困難、難民もそうですし、
資源をめぐる争い、援助の問題、ビジネス投資、人間的・時代的な色々なものが凝縮されている。
それを知らずして、世界全体を語る国際政治が語れるのかな。
ちょっとそこらへんが足りなすぎる。
だから、アフリカ・スタディツアーをやっているんです。」
甲斐先生
「スタディツアーが学生に対してどんな影響があるのかというと、
貧しさ、生と死、苦しみ、家族の絆をリアルに感じることってあまりないと思うんですね。
だけど、アフリカに行くと暗さと明るさ、逆に言うと、暗い闇だからこそ、明るい光が見えてくる。
そういう鮮やかなコントラストが見えるということがあるのかなと。」
例えば、ケニアのキベラスラムは、まさしく“絶対的貧困”。
生か死か、そこで生き抜いてるからこそ強さがあるのをアフリカでは感じられるそう。
危険の問題を含めて、大津さんのネットワーク・情報・経験があるからこそ、
リアルな究極の場所の一歩手前の風を触れることができている。
そのリアルを感じられるだけで、良くも悪くも若い学生の感性は触発されるでしょう。
そのある種の出会いがある場を提供できたらいいな。
取材体験をもとに、それをツアーという形に落とし込んで提供できたらいいなと、おふたりは語ります。
⚫セキュリティの確かさ⚫
こういうことをしたら、こういう危険がある。
ここまで行ったら大変だよ、ここで引き返してきなさい。
とこれだけ端的に伝えられる人は、大津さん以外にいないでしょう。
それは、セキュリティの向こう側に踏み入れたことがあるから言える言葉であって、
それを伝えられる人は滅多にいないとのこと。
現地で1番大事なのは、ドライバーとの関係という。
ドライバーには、全ての情報が集約されていて、彼のネットワークの中で動いているからだ。
この道って大丈夫か?あるいはあの人は大丈夫か?と聞くと彼らが必ず言うのは、
「no problem!」
彼らが言う「no problem!」は、多くの情報がフィルタリングされた結果であり、
でまかせではなくて、本当に130%任せることができる。
こっちで下手なことを言ったら逆に危ないらしい。