体感型アフリカツアー

第1回:不安

何か、調子が悪い、身体も心も不安に押しつぶされそうだった。成田へ向かうバスは最悪だった。催行母体であるフレックス・インターナショナルの社長の英断で実施は決まったが、本当に今回のツアー(タンザニア・スタディツアー)はうまく行くのだろうか?参加者は高いお金を払って参加を決めてくれた4人の若者たちである。コミュニケーション、現地での満足度、そして自分の体調等々、しかもたった4人の若者たちとの距離は数が少ない分必要以上に近い・・・成田で現実にみなとあった時も、そうした感じは払いきれなかった。チェックイン(エティハド航空)の後、約11時間かけてアブダビに着いた時もまだまだだった。結構寒い。4人が空港内を歩いている時、ボクは毛布を被りほぼ椅子に座ってワケのわからない不安と戦っていた。紛争取材ではとくにそうだが遠いアフリカへの旅に慣れはない。それなりの不安とプレッシャーと戦わなければならない。慣れたいが逆に慣れた時は危ない。たぶん心の隙か、あるいはそれに類した何かが心に生まれる。3つのもっともやってはいけないことがある。それは〝慣れ〟〝知ったかぶり〟そしてとくに現地、現場で〝偉そうに振る舞う〟ことだ。現地の人間に簡単に見破られる。そう、相手はみな百戦錬磨の人間たちなのだ。

第2回

2016年2月に催行した「現場へ行こう」タンザニア・スタディツアーに関する大津氏の手記。このツアーでは、大津氏独自の現地コネクションと強い安全への意識のもとブルンジから多くの難民が押し寄せるニャルグス難民キャンプを訪問しました。アフリカに30年以上通い続ける大津氏が、ツアーの様子や裏話、旅に関する教訓などを記しています。そこには参加されるお客様への思いも・・・。(連載/全19回)。