体感型アフリカツアー

第18回:家/家族/家庭

 

狭く薄っぺらいと書いたが、しかし子供たちを見て一目でわかるように、困難な状況、〝家〟の外見等に関係なく、彼ら難民たちが 十分に〝家庭/一家〟を維持し、築き上げているのではないかという思いがする。そこにはしっかりとした親子関係、目上の者に対する尊敬など、まだまだアフリカ文化の肯定的部分が十分に残されているように感じられた。最近の日本のように貧困によって家庭崩壊が起き、離別、自殺が数多く報告される中、少なくとも貧しさ、格差(是正されなければならない)に関係なく〝家庭〟は維持することができることを、皮肉にもアフリカの難民キャンプは証明しているように思えてならない。

有り余るほどの物に溢れ、恵まれていながら、いじめ、虐待、自殺、そして最近特に注目される〝子供貧困〟率の高さ。難民キャンプで (今のところは)元気に屈託なく遊びまわる子供たちと、あらゆるものに恵まれながらも目に見えないプレッシャーとストレスにさらされ続ける日本の子供たち、いったい未来はどちらに人間としての力と価値とを授けるのだろうか・・・。外見上どれほど立派な家だろうが、その中にある家族とその幸せが失われているとしたら、人間にとってどちらが幸せなのか。

たしかにたくさんの問題と問いを難民キャンプという人間空間は発している。さらに、ブルンジ・コンゴ難民たちの祖国が抱える複雑で困難な問題解決について考えるとき、キャンプはただのテント、仮の小屋の集まりではなくなる。キャンプは〝人間たちの最前線〟 になる。祖国で起きた飢えと殺戮、そして数知れぬレイプ、だがそうした現実は日本では遠い、視聴率が取れない、といった理由で伝えられない。島国日本からは絶対に見ることも知ることもできない、人間と人間の本音の対立、戦争、そしてそれでも生きて行かなければならない無数の人間たち。貧困も病気もさらに歓びも悲しみもすべてが詰まっている世界、それが難民キャンプ。概念でも想像でもない、そのフロントライン/現実に日本の若者たちを連れて行きたかった-- それが今回/2016年の「4+1 アフリカ・スタディツアー」だ。

 

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2016年2月に催行した「現場へ行こう」タンザニア・スタディツアーに関する大津氏の手記。このツアーでは、大津氏独自の現地コネクションと強い安全への意識のもとブルンジから多くの難民が押し寄せるニャルグス難民キャンプを訪問しました。アフリカに30年以上通い続ける大津氏が、ツアーの様子や裏話、旅に関する教訓などを記しています。そこには参加されるお客様への思いも・・・。(連載/全19回)。